消泡剤には基本的に3つの機能がある!
産業製品の中には製造工程で発生する泡によって、製品のクオリティ低下を引き起こしたり、製造機器にトラブルを招くなど、様々なリスクを抱えています。そこで化学的な方法で解決を目指したものが、消泡剤です。ただし一口に消泡剤といっても、その用途やバリエーションは多岐にわたります。この点、機能として見れば、基本的に次の3つに分類することが可能です。それを次に説明しましょう。
泡を壊して消す!壊泡作用の消泡剤
まず最初に紹介するのが、壊泡作用の機能を活かした消泡剤です。字の通り、泡立った液体にこの消泡剤を添加することで、化学的に泡を壊して消します。このタイプの消泡剤はわずかな添加量でも、スピーディーに泡を消すことができる点に、優れた特徴があります。例えば塗装工程の際に表面を均一かつ欠陥の無い塗膜するには、水系塗料用または非水系塗料用として、このタイプの消泡剤が欠かせません。
あらかじめ泡を抑制する!抑泡作用の消泡剤
続いての消泡剤は、抑泡作用の機能を活かしたタイプです。これは泡の発生が予想される液体等に対してあらかじめ消泡剤を添加し、初期の段階から泡自体の発生を抑え込んでしまうもの。例えばゴムや樹脂などの製品を生産する工場では、汎用性の高い金属石鹸系抑泡剤の他、水希釈安定性に優れるモノマーストリッピング用抑泡剤を採用するケースも、決して珍しくありません。
あえて泡を大きくして消す!脱泡作用の消泡剤
最後に紹介するのが、脱泡作用の消泡剤です。このタイプではあえて液体中の泡を合一して大きくし、速やかに表面上への浮上を促して消すという、ユニークな機能を特徴とします。例えば製紙工場の抄紙工程ではサイズへの影響が小さく、脱泡性に優れる高級アルコール系消泡剤を採用するケースも多々あります。
消泡剤とは液体に添加し、泡の発生を抑制するため用いるものです。食品業界でも多くの製品に用いられています。